欠陥就業規則の抱えるリスクとは!

解雇に関するトラブル
  • 最もトラブルの多いのは解雇に関するトラブルでしょう。 今回の労働基準法の改正では非常に大きな変化がありました。それが「解雇ルールの法制化」ということで、「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効とする」という条文が入りました。これは従前の判例を積み上げて「解雇権の濫用法理」を明文化したものです。今後の実務上の対応としては、解雇の事由を就業規則に明記する、ということが必要です。 社内に問題社員がいてどうしても解雇したい場合、就業規則に定めが無い理由での解雇は行なえないと考えておいた方が良いでしょう。 解雇事由の規定は、行政の提供する通常のモデル規定などでは圧倒的に足りないと言わざるを得ません。考えられるすべてのケースをリストし、詳細に規定しましょう。
残業手当支給に関するトラブル
  • 最近増えているのが、残業手当支給に関するトラブルです。労基署の臨検を受け、巨額の残業手当てを遡って支払うことになった企業が報道されています。このような場合、就業規則に「残業時間としてカウントできる条件」を規定しておかないと労基署の監督官は、タイムカードの端数の時間も含めすべてを労働時間と捉え、これに対する割増賃金の支払いを求めてくることがあります。「残業時間」の意味、カウント方法を労使でよく理解し、就業規則に明確に定めておくことが必要です。