FAQ (よくある質問)

日常業務でよくある相談・質問を集めています。今後、順次追加していく予定です。
  1. 就業規則に関するもの
  2. 社会保険労務士制度に関するもの
  3. 当事務所に関するもの
就業規則に関するもの
Q. New!
このたび労働契約法が制定されたと聞きますが、就業規則の役割が高まったと聞いています。今後はどのような点に気をつければよいのでしょうか。
A.
「労働契約法」ですが、やっと「ねじれ」国会を通過しました。 内容としては、これまで判例の積み重ねに負うところが多かった実務について、制定法として、一定の解釈基準が明文化されたという意味はあるのですが、特に実務的に取り扱いを変えるべき点は多くはないと思われます。就業規則の変更の法的位置づけとして、「それが合理的なものである限り、労働契約の内容となる」という趣旨も盛り込まれていますが、この解釈はこれまでも判例法理として実務の世界では、よりどころとしていたもので、特に新しい内容とはいえるものではないでしょう。 これは、当初盛り込まれていた労働契約法案のうち、新しい内容のものはことごとく削られてしまったためで、今国会では成立しなかった労働基準法の改正案とともに、政治的な駆け引きの対象となってしまい、どうも歯切れの悪い結果となってしまいました。 ただ、ひとつだけ就業規則の変更手続きを明文化したことには意味があります。従来、就業規則の変更手続きについては、従業員代表の意見書がない場合や届出をしていない場合も明文の規定がなく、判例も、これらは直接効力要件ではないとしていたのですが、ここで労働契約法に明文化されたことで、効力要件となると解釈できます。つまり、意見書や届出という手続き要件に反する変更は、無効となってしまう可能性が高いのです。 適正かつ合法的に選出された「労働者代表」の意見書、および監督署への届出の重要性を認識し、遺漏のないように注意してください。 労働契約法の条文はこちらです。
Q.
当社は2005年に就業規則を改正していますが、最近の法改正により、就業規則の変更をしなければならないような点はありますか?
A.
残業割増率の引き上げなどを伴う、労働基準法の改正案は今国会(2007年通常国会)での成立はむづかしいものと予測されます。また2007年上半期においてはホワイトカラーエグゼンプション法案は、立ち消えになりましたが、政府としては近いうちにまた提出に向けて動き出すものと予想されます。 昨年来の法改正としましては、及び、 パートタイム労働法(2008年4月施行予定)などがあります。 男女雇用機会均等法の改正は、適用範囲の拡大、間接差別の禁止、セクハラ防止対策など多岐にわたりますが、セクハラの定義なども含め、従業員にとってどういうことがセクハラに当たるのかを周知、啓発することが求められています。 御社の就業規則がこのような点に対応していない場合は、この意味での就業規則の見直しが必要です。 このほかの対応事項といたしましては、パートタイム労働法の改正に見られます ように、パートタイマー、契約社員などのいわゆる非正規社員関連の規制強化に伴い、非正規社員専用の就業規則の作成義務がシビアになってきている点があげられます。 これまでは単に、「労働条件は、個別契約による」としておけば大きなトラブルには結びつくことが少なかったのですが、この際、パートタイマー、契約社員専用の就業規則を作成しておくことが、労働条件の明確化、リスク回避につながります。
Q.
当社の外国人従業員の内、何人かは外国で採用され、現地で雇用契約を結び、日本の事業所には出向の形をとっており、給与は出向元と日本で分担して払っています。このような場合、社会保険の適用はどのようになるのでしょうか。なお、彼らは会社で契約している民間の医療保険に加入しています。
A.
外国で採用・雇用契約を結んで、日本に出向し、指揮命令を日本で受け、給与は一部日本で支払われる場合ですが、次のようになります。
  • 健康保険  加入義務あり(標準報酬は日本で支払われる部分のみ)
  • 厚生年金  加入義務あり(標準報酬は日本で支払われる部分のみ)
  • 労災保険  加入義務あり(給与額は合算して申告)
  • 雇用保険  加入できない(日本で雇用関係がない限り適用なし)
考え方の原則は、健保・年金は「給与の出所」で、労災保険は、「指揮命令の場所」で、雇用保険は「雇用主が誰なのか」と、それぞれ考え方が違っています。 健康保険は、他の民間の医療保険の加入の有無には関係なく、加入しなければなりません。 厚生年金については、社会保障協定の締結されている国の方の場合は、加入しなくてもよい場合があります。協定の締結されていない国のかたでも障害年金につきましては、受給権が一旦発生すれば、 どこに住もうとその受給権は消えないので、加入するメリットがあります。 社会保険としての健康保険・年金には所得保障・障害年金給付など民間の保険にはないことが多いメリットがあります。 これらが受けられない場合の労務リスクというものもありますので、一度現在の保険との比較をされることをお勧めいたします。 もとの国での雇用契約書には、社会保険は現地での法律に従う旨、また日本の就業規則には社会保険の従業員負担分を控除する旨を明記しておいたほうがよいでしょう。
Q.
当社はフレックスタイム制を採用していますが、休日に出勤した場合の扱いがよくわかりません。休日出勤はあくまでもフレックスタイムの労働時間の枠外として、時間外手当を支払わねばならないのでしょうか。
A.
フレックスタイム制の場合の休日労働ですが、その休日が法定休日なのか、法定外休日(会社休日)なのかによって取り扱いが異なってきます。 法定休日とは,労基法第35条に定める基準(毎週1日又は4週間を通じ4日)による休日のことを指します。これに対し,週休2日制における休日のうちの1日分や法定休日に当たらない国民の祝日などの休日は、法定外休日と呼ばれています。 法定休日は、労基法35条に規定されるもので、就業規則に「日曜日」などと特定した場合はその日、特定しない場合は、毎週少なくとも1日、又は4週間を通じ4日の日となります。 フレックスタイム制のスムーズな運用のため、就業規則とは別に、次のような、取扱規定を作って、運用されるのがよいと思います。
  1. 毎月の、所定労働時間を確認し従業員に伝えておく。 (EXCELで時間管理シートを作成) 月間所定労働時間 = その月内の所定労働日数 X 8時間
  2. 毎月の実労働時間はできる限り上記の月間所定労働時間を超えないように調整する。結果的に超えてしまった場合は、超えた分の時間に対し125%の割増賃金を支払う。
  3. 深夜労働(午後10時から午前5時まで)は別途時間を管理し、実労働時間にかかわらず、25%の割増賃金を支払う。
  4. 年次有給休暇をとった場合は、休暇残日数を減らし、実労働時間にその分を加算する。(一日の場合8時間、半日の場合4時間など)
  5. 休日に労働する必要がある場合は、あらかじめ上司の許可を受け、一ヶ月以内の範囲で振替休日を決めておく。
  6. どうしても一ヶ月以内に振替休日が取れず、週一回の休日労働となった場合(土日の一方のみ出た場合など)は、実働時間に加算する。 結果的に週二回の休日労働となってしまう場合(土日両方出勤したような場合)、一日分は法定休日となるので、その分は実働時間に加算せず135%の割増賃金を支払う。
Q.
退職する従業員が、競合他社に就職しないように就業規則で制限を加えることはできますか?
A.
 一般的に、従業員が退職した後は、労働契約が解消されるため、特約のない限り、就職先を制限することはできません。職業選択の自由は憲法でも保障されています。ただし、就業規則や雇用契約書によって、特約を結んでおけば、一定の範囲で競合他社への就職を制限することができます。ただし、たとえば禁止期間が10年の期間などとなると、公序良俗に反することになり、効力がなくなってきます。 通常は2年程度が一般的でしょう。 一方、顧客台帳を持ち出すなどの行為は、その会社で十分管理されたものになっていて、どの社員でも簡単にアクセスできるようなものになっていなければ、それをコピーしたりプリントアウトしたりデータをダビングしたりして外部に持ち出す行為は、営業秘密を害する不正競争行為となり、不正競争防止法違反の問題が発生します。 いずれにしても、就業規則の整備は欠かせません。
Q.
当社には退職金規程がありませんが、実際には自己都合、会社都合にかかわらず一定の金額を慰労金として支払っています。今後は、団塊の世代の退職者が急激に増えるので、この慰労金の支払いをやめたいのですが。
A.
規程上、定めがなくても、これまで慣行として一定額を支払ってきたのでしたら、今後退職する従業員にも一定の「期待権」というものが発生するという考え方があります。したがって、会社が一方的にこれまでの慣行を破り、退職慰労金の支給をやめることには問題があります。もし、退職金を廃止ないし、減額したいなら、従業員とよく話し合い、代替措置なども考慮し、納得を得ることが必要でしょう。いずれにしても規程を整備しておくことが大切です。
Q.
来年からアメリカのようにホワイトカラー労働者には残業手当を支払わなくてもよくなるそうですが、本当でしょうか?
A.
現在、政府は自律的労働と称し、使用者の残業手当の支払義務を緩和する制度(日本版ホワイトカラーエクゼンプション)の制度を検討していることは確かです。しかし、実施は相当遅れそうな気配です。政府の諮問期間である労働政策審議会労働条件分科会では特に労働側からの反対があり、政府としても慎重に対応せざるを得ないでしょう。 そもそも、「報酬を、「労働時間」でなく、「成果」をベースとして決める」というスキーマはある種の労働者にとっては理想的な考えではあるのですが、真の「自律的労働」ができる労働者は、現状ではなかなか少ないでしょうし、長時間労働を正当化するために「悪用」されてしまう危険性も残っています。 いずれにしても方向性としては、消えたわけではないので今後の動向には注目してください。
Q.
当社では、出張のため休日に出発・帰着した場合でも、特になんの手当も支給していません。問題があるでしょうか。
A.
見解の分かれる問題でもありますが、原則として出張のための移動時間は、労働時間としてカウントする必要はないいというのが、通説になっています。移動しているだけの時間は通常、使用者の指揮命令権が及ばないことがその理由です。ただ、実務的には、日当、食事手当、代休取得などの名目でなんらかの支給をしている会社が多いのも事実です。休日の朝から出かける場合や、移動中になんらかの指示を受けたりする場合などで特に何も支給しない場合は労働者からの不満が出るでしょう。
Q.
当社は外国企業ですが、就業規則のようなものは英語のものしかありません。日本語のものを作らないと法違反になるのでしょうか?またこの場合、英語のものは就業規則として有効とされるのでしょうか?
A.
まず、御社の事業所が常時10人以上の労働者がいるかが問題となります。ひとつの事業所(場所的に独立した工場、事務所など)で労働者が常時10人以上となる場合は、就業規則を作成し、従業員代表の意見書を添付して所轄労働基準監督署に届け出なければなりません。この場合、英語の規則でも受理はしてくれますが、日本語の対訳を添付することを求められます。結局は日本語のものも必要になるのですが、英語のものが正本であると社内で決めた場合は解釈に争いがあった場合、英語のものが優先されます。 また御社のどの事業所も労働者が10人未満であれば、労働基準監督署への届出の義務はありませんが、労働条件について英語の規程を作成し、これを従業員に周知してあれば、英語のもののみであっても就業規則としては有効になります。10人以下の場合も出来るだけ就業規則を作成し、届け出ましょう。
Q.
当社には20人の社員がいますが、ほとんどの社員が派遣社員で正社員は5名のみです。この場合、就業規則の届出は必要ですか? また派遣社員にはその就業規則は適用されないと思いますが、いかがでしょう。
A.
派遣労働者を除いて10人未満の事業所は、就業規則の作成・届出義務はありません。一般的に派遣労働者は派遣元の就業規則の適用を受けますが、派遣先にも派遣労働者を使用する使用者としての一定の責任が課せられます。たとえば、36協定なしに法定時間外労働をさせた場合の責任や、安全衛生に関する責任などが挙げられます。この場合の36協定は派遣元で締結していなければならず、派遣先はその協定に拘束されます。御社のように会社規模として20人ともなると、就業規則は正社員の人数にかかわらず、出来るだけ作成・届出することをお勧めします。
Q.
当社の就業規則では定年年齢が55歳のままになっています。 現在は60歳定年が法制化されていることは知っていますが、当社の場合、定年年齢は60歳に読み替えられるのでしょうか。
A.
現時点では高年齢者雇用安定法の規定により、特別の業務を除き、定年の定めをする場合には、当該定年は、60歳を下回ることができないとされています。もし、就業規則の定年に関する条文が、55歳定年のままであるとすると、この規程は法令に反するため、無効となり、定年の定めが「ない」ことになってしまいます。 言い換えれば、労働者が希望する限り、全員を年齢の制限なく、同じ条件で雇用しなければならないことになります。 労働者側から見れば、好都合ですが、会社側にとって見れば、大変な負担となります。 このような就業規則は今すぐ改定が必要です。
Q.
わが社はタイムカードを導入していませんが、タイムカードは必ず導入しなければならないものなのでしょうか。また、タイムカードを導入した場合、その打刻時間が直ちに残業時間に結びつくのでしょうか。
A.
平成13年に厚生労働省から労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準についてという通達が出され、これが、タイムカードを導入しなければならないというドライバーになっていることは事実です。 しかし、この通達では、何が何でもタイムカードを導入しなければならないとは謳っておらず、自己申告による時間管理方法も一定の条件の下にこれを認めています。 このため、出退勤の管理は伝統的なハンコによる「出勤簿」でもいいわけですが、何らかの方法で労働時間を「適正に」把握することは使用者の義務として課せられています。 タイムカードを使用しない具体的な方法としては、出勤簿に加え、残業を申請・許可制にし、その時間は紙やEXCELシートなどに別途記録しておくという方法でもかまわないでしょう。 勤怠(時間)管理というものは重要なことではあるのですが、その煩雑性と多様性のためなかなかこれといった決定的な方法がありません。会社の実態・規模、事務量、勤怠管理の方法などにより、総合的な観点からどういうシステムを導入するかを考えていく必要があります。 また、タイムカードの打刻時間が直ちに残業時間に結びつくのかという問題ですが、これも残業時間というものを就業規則にどう規程しておくかにより解釈が異なってきます。 就業規則には、あくまでも残業は、申請してこれが承認された場合とする、という趣旨の規程をおいておくことが必要です。 就業規則にこれらの規定がない場合、行政側の解釈は、タイムカードの時間がすべて労働時間であるとの解釈を取ることがあり、常識では考えられない残業手当を支払うことを求められる場合があります。 このように労働者、使用者、行政のそれぞれの立場が複雑に絡む労働時間管理の問題ですが、最終的には、それぞれが納得のできるやり方をとっていくことが大切でしょう。
Q.
わが社の定年年齢は現在60歳です。定年延長の動きがあると聞きますが、就業規則で定年年齢は60歳以上に引き上げなければならないのでしょうか。
A.
2015年には、労働者の5人に1人が高齢者(60歳以上)になるといわれています。このたび高年齢者雇用安定法が改正されましたが、直ちに定年年齢を60歳以上に引き上げなければならないというわけではありません。事業主は定年の引上げ、定年の定めの廃止、または継続雇用制度の導入のいずれかの措置を講ずれば良く、労使協定により、継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定め、当該基準に基づく制度を導入したときは、その措置を講じたものとみなされます。 簡単に言えば、高齢者全員を必ず雇用継続しなければならないということではなく、労使で話し合い、残れる人に一定の基準を設け、その基準に合った人だけを継続雇用すればよいことになります。この継続雇用とは、新しい条件での「再雇用」でも、同じ条件での「雇用延長」でもどちらでもよいことになっています。
Q.
就業規則が不備であるとの是正勧告を受けてしまいました。期日までに間に合うかどうか自信がありません。
A.
そのような是正勧告を受けた場合、早急に就業規則を整備して、労働基準監督署に届け出る必要があります。ただし、就業規則作成・変更には会社の実情の分析、最新法令の理解、従業員の理解など多くのプロセスが介在し、時間がかかるのも事実です。 もし、会社の事情でどうしても期日までに間に合わないと予測される場合は、その理由を監督署に説明し、遅延理由書として提出しておきましょう。
Q.
就業規則はとりあえず暫定的に決めておいて後でゆっくり見直したいのですが。
A.
作るなら、よく考えてしっかりしたものを作らねばなりません。いったん有効になった就業規則はあとで変更しようとした場合、それが労働者側にとって不利益になる場合、変更の合理性の説明、不利益の代替措置を講じるなど、その変更は大変面倒なものになります。最初に決める段階で時間をかけ、きちんとしたものを作成しておいてください。
Q.
従業員が退職後、すぐに競合会社に就職してしまいました。このようなケースを予防したいのですが。
A.
退職後の一定期間の競業禁止については、就業規則に定めておくことにより、これを制限することができます。就業規則に一定の期間内に同業他社に就職した場合は退職金を減額する旨の規程をおくことも可能です。ただ、無制限にこれを行うことは、労働者の職業選択の自由を奪うことになり、許されません。
Q.
従業員が会社に無断で、夜間別の職場でアルバイトをしているようなので、何らかの制裁をしたいのですが。
A.
従業員が兼業を行うことは、場合によっては会社の仕事に影響したり、秩序を乱すことがあります。わが国では、就業規則に無許可の兼業禁止または制限を定めておくことで、このような社員に何らかの制裁を加えることは可能です。しかし、 すべての場合で制裁が可能かどうかは別問題で、ケースに応じて総合的に判断していかねばなりません。会社に実害があり、企業秩序を乱すことが明らかな場合などは制裁が可能と思われますが、この場合、就業規則に兼業の禁止または制限を明文化しておかねばなりません。
Q.
支店の営業社員が急に退職し、どうしても人手が必要になったので,本社で事務職をしている者に営業社員として転勤を命じたら、就業規則に規定がないことを理由に転勤を拒否してきました。この場合、懲戒処分にできるでしょうか。
A.
従業員を採用するときに、勤務地や職種を特定して行うことがありますが、たとえば「事務職」「支店勤務」として採用した場合、本人の同意がなく、会社側の都合で「別営業所の「販売職」とするなど、勤務地の変更や職種の変更をしようとしても就業規則等にその規定がなければ、従業員は拒むことができます。したがってあらかじめ就業規則等に従業員の転勤及び職種の変更がありうることを規定しておく必要があります。規定がなければ会社の都合で転勤や職種変更を命ずることができず、したがって社員に拒否されても懲戒処分にすることはできません。 また、不況になると会社の都合で関連会社などへの出向が行われることがありますが、、出向の場合も、単に就業規則で「出向させることがある」と規定しただけでは不十分で、、出向の条件や待遇などを具体的に規定していないと、命令ができないとされています。
Q.
就業規則の日本文と英文の解釈に争いがある場合、どちらが優先されるのですか。、
A.
法令や規則は同じ日本文であっても、異なって解釈できる場合があります。英文作成には可能な限り、正確性、忠実性を保つよう努めますが、万一解釈の違いで争いがあった場合、は原文(一般的には日本文)の記述が優先します。ただし、もともと英語のものを先に作成した場合などのように、英語の規則を正本として優先させることも可能です。当事務所ではいずれを優先させるかを、その旨規則の冒頭に謳うことにしています。
Q.
当社の賃金にはもともと残業手当が含まれています。就業規則にもこれを謳いたいのですが。
A.
わが国の労働基準法は、一日8時間、一週40時間を超える労働に対しては、原則として超えた時間に対する割増賃金の支払いを義務付けています。定額残業手当制度はこの労働基準法の定める割増賃金の計算方法に反するので、本来は認められていません。しかし、判例は一定の条件の下に、消極的ながらもこの制度を認めています。当事務所ではこれらの判例に基づいた規則作成のご相談も伺っております。

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社会保険労務士制度に関するもの
Q. New!
特定社会保険労務士というのはどのようなものですか?
A.
おかげさまで、所長の倉田は2007年4月1日付けで特定社会保険労務士の資格を取得いたしました。特定社会保険労務士とは司法制度改革の流れで導入された新しい資格で、一定範囲のADR(代替的紛争解決手段)代理権を持つ社労士のことです。 2007年4月から特定社会保険労務士制度が始まります。ADRというのは、Alternative Dispute Resolutionの略語で、訴訟などで争うことではなく、解雇などの個別労働紛争が起きた場合、争いの前に双方譲り合えるところを見つけて解決する制度のことで、都道府県労働局に設置された紛争調整委員会による「あっせん」 がその代表的なものです。 あっせんは訴訟と違い、非公開で行われますので、秘密を保てます。 特定社会保険労務士はこのあっせんの当事者の代理人となれる資格のことで、2006年度に研修が開始されています。代理人は紛争している当事者に代わって意見の陳述等を行い、あっせん案の提示等を求めることができます。
Q.
税理士さんはどうしても必要ですが、社会保険労務士へ業務委託をするメリットがよくわかりません。
A.
社会保険労務士への業務委託がもたらす大きなメリットとしては、次のようなものがあります。
  1. アウトソーシングの活用 複雑で多様な知識を必要とする人事・労務管理業務には分かりにくく、面倒な面があります。 あまり頻度はないが、重大な人事・労務管理の問題に対し、社内の専門スタッフを育成し、配置しておくより、外部の力をアウトソーシングすることで無駄を省け、経営の一助となります。これは中小企業だけでなく、大企業にとってもいえることです。社会保険労務士は、国家資格者であり、守秘義務が課せられていますので、安心です。
  2. 企業経営に専念 目まぐるしく変わる社会の変化に伴い、労働・社会保険関係諸法令の改正がたびたび行われています。その内容は複雑で、より専門的になってきており、こうした面 に精通していないと、業務への適正な対応は困難となっています。スピーディに、正確に処理するため、専門家である社会保険労務士にお任せ下さい。
  3. 最新の情報にキャッチアップ 頻繁に行われる法改正情報をはじめ、業界知識や社会的動向について社会保険労務士がもつ知識・経験や最新の情報をご活用下さい。
  4. 専門知識に基づく適切なアドバイス あらゆる産業分野で、賃金・人事制度の見直しが行われ、また、労働条件の改善や労働時間の短縮が進められています。労働者の意識も大きく変化しています。反面さまざまな業務の効率化が問われています。そこで必要となるのは戦略やアイデアです。社会保険労務士は人事・労務管理全般 に関する専門コンサルタントとして、必ずや事業主および従業員のお役に立ちます。

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当事務所に関するもの
Q.
TopページのTopicsの掲載Policyはあるのですか?
A.
できる限り、労働分野を中心に、最新の話題や法改正のNewsを優先して掲載しています。就業規則作成に関連する話題も優先しています。
Q.
倉田事務所のロゴマークの意味するところはありますか?
A.
自らが開業の志をつねにRemindできるよう、シンボルマークを採用いたしました。lmconsulの'L'の文字とGlobalな視野でのサービスのご提供をイメージしたものです。今後ともよろしくお願いいたします。
Q.
倉田事務所の強みはどこにありますか?
A.
次のような点が強みです。
  1. 大手外資系企業での在籍経験が永く、最近は人事システムコンサルタントとして多くの外資系企業人事部門のお手伝いをしています。アメリカ、アジア、ヨーロッパをまたがる国際的プロジェクトもいくつか経験しており、コミュニケーションには自信があります。
  2. 経営 ・ 法律 ・ IT(システム)全般に明るく、企業・団体の総合的な「経営」という観点から、バランスの取れたコンサルティングを提供させていただきます。
  3. 他士業、他分野の経営コンサルタントともネットワークを持ち、さまざまな課題に対応いたします。
Q.
英文就業規則は自身で翻訳するのですか?
A.
量の大小を問わず、いかなる場合でも英文はネイティブチェッカーがチェックしています。重要な案件はネイティブで弁護士資格を持った方にチェックをお願いしています。
Q.
日本語の就業規則はあるのですが、英語への翻訳だけをお願いできますか。
A.
当事務所は、原則として日本語の原文についても、当事務所独自のチェックを行い、原文として齟齬のないものを英訳しております。英語訳のみの業務をご希望の方につきましては、内容、納期により、ご相談の上、対応させていただきます。但し、当面の間、トライアル翻訳等には対応いたしかねますのでご了解ください。
Q.
倉田事務所は就業規則だけをやっているのですか。一般の手続きや顧問契約もお願いできますか。
A.
もちろん、特定社会保険労務士として、労働保険、社会保険の手続き・相談業務も、顧問契約としてまたスポットでのご相談も承っております。最近では、社会保険の手続き業務を除いた、相談業務のみの顧問契約も承っております。もちろん、英語にも対応いたしますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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